STEP4 テレワークツールを導入しよう

「自社の現状にあったテレワーク環境を構築したい」「セキュリティの心配が少なく、社員が使いやすいITツールを知りたい」テレワークの導入にあたり、こうしたお悩みはないでしょうか?

STEP4では、テレワーク環境の整備に必要なテレワークツールとその選び方を紹介します。

目次

自社に見合ったテレワークツールの選び方

テレワーク環境を整えるためのIT投資は、中小企業にとって決して小さくない金額となります。

「多額をかけて自社に見合わないテレワークツールを導入してしまったが、取り返しがつかない」ということが起きないよう、以下の点に注意してテレワークツールを選んでください。

  • 料金プランと課金方法
  • 無料で始められるかどうか
  • 解約のしやすさ
  • 自社の業務内容に合わせて項目をカスタマイズできるか
  • 導入や保守に自社エンジニアを必要としないか
  • サービス側でセキュリティ向上に取り組んでいるか

料金プランと課金方法

プランごとの使える機能と料金を確認する。課金方法は1ユーザーあたりなのか、データ容量に基づくのか?初期費用はかかるのか?

無料で始められるかどうか

ベーシックな機能だけでもよいので、無料版がお試しできるかどうか?デモ画面/デモ機器を貸してもらえるか?

解約のしやすさ

月契約なのか年契約なのか?解約要件(解約通知は解約日から何日前か?、解約違約金は発生しないか?)

自社の業務内容に合わせて項目をカスタマイズできるか

管理画面に入れる基本情報(マスターデータ)は、現状のシステムに合わせられるか?商品や顧客の特殊な振り分け方がある場合、基本情報の項目はカスタマイズできるか?

導入や保守に自社エンジニアを必要としないか

パソコンにインストールするだけで使えるか?もしくは、ブラウザ上からログインすれば使えるか?サーバーやシステムのメンテナンスはサービス側で対応しているか?

サービス側でセキュリティ向上に取り組んでいるか

最新の脅威に対するセキュリティ対策やシステム/ソフトウェアの更新を行っているか?

テレワーク実施に必要なITツール、まずは3つの領域をカバーして!

「テレワークツールがたくさんありすぎて、どうやって選べばいいのか分からない」「ITツールの中でも何が本当に必要なのか分からない」と迷っていませんか?

まずはインフラとなる基本的なテレワークツールから導入しましょう。このとき「コミュニケーション」「労務管理」「データ共有」の3領域をカバーすることが大切です。

インフラとなる基本的なテレワークツール: 「コミュニケーション」「労務管理」「データ共有」の3領域

コミュニケーションツール

テレワークでは遠隔のコミュニケーションになるため、円滑なやり取りを助けるツールが必要になります。

導入を検討したいコミュニケーションツール:チャットツール、ビデオ会議ツール

チャットツール

導入目的:メール代わりに使う、コミュニケーションの簡略化と迅速化、対話の内容をタイムリーにチーム内共有する

選び方:使いやすさ(操作がシンプルかどうか)、取引先や協業者が使っているツールにあわせる

代表的なツール

Chatwork(チャットワーク):日本の企業が国内の中小企業向けに開発したサービスなので、一般的に使いやすい仕様です。無料で5GB、7グループまで利用可能。

詳細:https://go.chatwork.com/ja/

Slack(スラック):アメリカ生まれのチャットツール。エンジニア向けに開発されたサービスなので、他システムやアプリとの連携が充実しています。無料で始められ、直近のメッセージ 10,000件が閲覧可能。

詳細:https://slack.com/intl/ja-jp/

Microsoft Teams(マイクロソフト・チームス):マイクロソフトがチームの共同作業向けに開発し、大手企業での導入が多いサービスです。ドキュメントや写真、ビデオ、チャット履歴、会議ノートがシームレスにつながります。無料でも基本的な機能は使えます。

詳細:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

LINE WORKS(ライン・ワークス):LINEとつながる唯一のビジネスチャット。個人用のLINEとほぼ同じやり取りができるので、社内の抵抗なく導入しやすいといえます。各種の制限はありますが、無料で100人まで利用可能。

詳細:https://line.worksmobile.com/jp/

ビデオ会議ツール

導入目的:社内外のオンライン会議に対応する

選び方:Web会議の実施しやすさ、通信の安定度合い、セキュリティ

代表的なツール

Zoom(ズーム):使いやすさや価格、機能への満足度などが非常に高いビデオ会議ツールです。なるべく通信を圧迫しない設計なので、パソコンやスマホへの負担が少ないのも特徴。無料版では100名までの会議を最大40分間開けます(1対1の会議は30時間まで)。

詳細: https://zoom.us/

Google Meet(グーグルミート):Googleの提供するビデオ会議ツール。カレンダーやメールなどGoogleサービスと連携して使えます。さまざまな不正使用対策機能が組み込まれており、無料版では100名までの会議を最大60分間開けます(1対1の会議は無制限)。

詳細:https://apps.google.com/meet/

労務管理ツール

テレワーク中の打刻・勤怠管理や残業の上限設定、勤務状況の見える化などを行います。集計した勤務状況データを分析することで、生産性向上まで役立てられるツールが提供されています。

導入を検討したい労務管理ツール:勤怠管理ツール、業務管理ツール

勤怠管理ツール

導入目的:勤務時間の打刻申請や把握・承認、長時間労働の抑制、生産性の向上

選び方:打刻や各種申請がしやすいこと、管理項目を自社にあわせてカスタマイズできること

代表的なツール

人事労務freee:freeeひとつで勤怠管理から労務管理までまかなえます。シフトや休暇の管理から、有給消化や残業を見える化まで。打刻手段もさまざま選べ、ミニマムプランは1,980円/月(税抜)~。30日間、無料体験が可能です。

詳細:https://www.freee.co.jp/hr/attendance-management/

KING OF ITME(キング・オブ・タイム):勤怠管理クラウド市場でシェアNo.1(※)、誰もが使い易さを感じられるシンプルでわかりやすいサービスです。料金は利用者数によって変動しますが、30日間、無料体験が可能です。

※出典:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」勤怠管理SaaS市場 利用ID数

詳細:https://www.kingoftime.jp/

IEYASU(イエヤス):人事・労務の専門家が必要な機能を精査し、シンプルさを重視し開発された勤怠管理システムです。打刻、シフト管理、休暇管理といった基本的な機能は無料で使用できます。

詳細:https://www.ieyasu.co/

業務管理ツール

導入目的:業務進捗の確認と促進、ワークフローの確認や承認、生産性の向上

選び方:パッと見で業務進捗がわかりやすいこと、各種アラートが出せること

代表的なツール

Kintone(キントーン):日報やプロジェクトなどあらゆる仕事を、「アプリ」と呼ばれる業務システムに組み上げられるクラウドサービスです。エンジニアでなくても、直感的に自社にあったシステムを作成できます。ライトコースは月額780円/1ユーザー。

詳細:https://kintone.cybozu.co.jp/

Redmine(レッドマイン):タスクやスケジュール管理ができるオープンソースソフトウェアです。仕事をチケットという単位で担当者に割り振り、管理ができます。無料で自社に合ったシステムが組めるので、ITエンジニアのいる企業にとっては便利です。

詳細:https://redmine.jp/overview/

データ共有ツール

社内マニュアルやプロジェクト推進に必要な資料などをデータ共有ツール上に置き、情報共有を加速しましょう。アクセスできる端末・本人を管理設定できるITツールを使えば、社外とのコラボレーションも迅速に。

導入目的:社内あるいは社外にも必要なデータを共有すること、必要なとき必要なデータにアクセスできる環境を作ること

選び方:容量が十分であること、データやフォルダーごとにアクセス制限が付けられること

代表的なツール

Google Drive(グーグルドライブ):Googleの提供するクラウドストレージです。ブラウザ上で操作でき、パソコンのメモリを圧迫しません。フォルダーやデータへのアクセス権付与もかんたん。Googleアカウントを作ると、15GBまで無料で利用できます。

詳細:https://www.google.com/intl/ja_jp/drive/

Dropbox(ドロップボックス):パソコン・スマホを同期して使えるクラウドストレージです。Dropbox上のデータやファイルは30日間バックアップされます。デバイスを紛失したときも、指定のデバイスからデータを遠隔削除できます。ビジネスプランは、3 TB(3,000 GB)まで2,000円/月・1ユーザー~。

詳細:https://www.dropbox.com/ja/

Box:法人向けに開発されたクラウドストレージです。細やかに権限設計でき、社外との情報共有にも使えます。ストレージの容量は無制限、ビジネスプランは1,710円/月・1ユーザー~。14日間、無料体験が可能です。

詳細:https://www.box.com/ja-jp/home

セキュリティ対策は何をどうすればいいの?

テレワークのメリットは、いつでも、どこでも、オフィスにいるときと同じように業務を推進できることです。しかし情報セキュリティは、オフィス以上に高い意識をもって対策をしなくてはいけません。

1.セキュリティガイドラインの策定

情報セキュリティに関する基本方針や行動指針となるセキュリティガイドラインを策定し、社員への意識喚起やセキュリティ配慮への啓もうを促しましょう。

2.セキュリティルール・情報管理ルールの策定

オフィス以外の場所から会社サーバへアクセスするときや、データを送受信する際のルール、社内の紙媒体資料の持ち出しに関するルールなど、テレワーク時の行動に関するルールを作りましょう。

3.アクセスの管理・制限

パソコンやアプリを立ち上げる際に、本人認証(アクセスしているのは誰か)のしくみを取り入れましょう。アクセスできる端末を制限すべきアプリやデータベースもあります。システム管理者は、社員に貸与しているパソコンなどの端末情報を一元的に管理することも重要です。

4.暗号による管理

会社支給の端末が紛失・盗難にあっても情報漏えいを防げるように、ハードディスクや端末本体の暗号化をしておきましょう。USBメモリといった外部記憶装置の使用を制限するのが難しい場合は、二重三重のセキュリティ対策が有効です。通信の暗号化やメールそのものの暗号化、添付ファイルの暗号化、ExcelやWordなどで作成したファイルの暗号化などを併用してください。

5.運用のセキュリティ

OSやソフトは常に最新の状態にアップデートをし、ウイルス対策ソフトを導入しましょう。また、データのバックアップシステムをあらかじめ用意し、緊急時にデータを復元できる環境を用意しておくことも重要です。

6.ネットワークのセキュリティ

ウイルス感染のほか、盗聴・不正アクセスなどのリスクを洗い出し、対策しなければなりません。VPN回線に接続して暗号化通信をするなど、安全に情報をやりとりするしくみを構築しましょう。

まとめ:便利なITツールを導入してテレワーク環境を整えよう

テレワークに必要なITツールは、インフラとなる基本的な機能から導入を検討しましょう。

まずは、低コスト(月額支払いがおすすめ)や無料で始められ、事情が変わったときにもすぐ解約できるものを選びます。

難しいIT知識がなくても操作・運用しやすいツールもたくさん提供されています。自社の業務や職場環境にあわせて最適なテレワーク環境を整えましょう。

※記載している情報は2021年10月時点のものです。

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