デジタル化が進む中で、自分のITリテラシーが低いのではないかと気になる。ITリテラシーを高める必要性を感じるが、何から勉強すればいいのか分からない。今さら詳しい人に聞くのも気が引ける……。そのように感じたことはありませんか?
たしかに、ITに自信が持てない管理職・社員は肩身の狭い時代になってきました。しかし、ご安心ください。ITはちょっとしたマインドの変化と行動の変容次第で、人に知られずに身に着けていけるスキルなのです。
本記事では、ITリテラシーの低い社員がITスキルを身につけるためのマインドシフトの方法や、カンタンに取り組める練習方法について解説します。
ITリテラシーが低い状態とは?
まずは「ITリテラシーが低い人」とは、どのような状態なのかを知っておきましょう。「ITリテラシーが低い状態」とは抽象的なので、その要素を分解し、1つひとつの要素を高めてあげる必要があるからです。
とくに「自分はITリテラシーが低い」と感じている人の中には、漠然とそう考えている人も少なくありません。そこで、まずはITリテラシーが低い状態について押さえましょう。
ITリテラシーが低い状態とは、以下の3つの状態をいいます。
1.検索しない、調べない
ITリテラシーが低い人の特徴の1つが「検索をしない」、つまり、検索力が低いという点です。わからないことがあったとき、自分で調べず詳しい人にすぐ聞いていませんか?そのようにして、修正対応をイチからすべて、やってもらってはいないでしょうか?そのせいで、ITスキルが向上しないということがあります。
たとえばパソコンに不具合が生じたときや、新しいソフトウェアの使い方に戸惑ったときなど、ITに詳しい人に頼れば迅速に対応してくれるでしょう。その一方で、自分のITスキルを向上させる機会を逃しているともいえます。
昨今は、インターネット上にさまざまなノウハウが掲載されています(多くの人の知恵の集合ということで、「集合知」と呼ばれます)。
ITの使い方がわからないときは、検索すればたいていの答えが見つかるでしょう。ITリテラシーの高い人と低い人の違いは、検索エンジンなどを駆使しインターネットの集合知を上手く利用できるか、という点が大きいのです。
2.ITに対する苦手意識からデバイスやソフトに触らない
ITリテラシーが低い人は、ITに対する苦手意識を持っており、デバイスやソフトの利用を避ける傾向にあります。デバイスやソフトを触らないから使い方を覚えられず、不慣れなままでいてしまう、といった事態に陥ってしまうのです。
確かにデバイス/ソフト上で変な操作をしてしまい、設定が戻せなくなると、社内のIT担当者に復旧のための作業負担をかけてしまいます。そのため「迷惑をかけたら足手まといと思われるのではないか」と怖がってしまい、ITに触らなくなってしまうのです。
しかしながら、デバイスもソフトも使ってみなければ使い方が習得できません。まずは使ってみようとする意識を持つことも重要です。
3.ツールの設定や使い方を学ぶ機会が無い
ITリテラシーの低い人は、ツールの設定や使い方を学ぶ機会に乏しいのも特徴です。昨今は小学校からプログラミング教育などが導入され、子どものころからITに対する教育がなされています。
しかし、パソコンやインターネットが急激に普及したのは今から20年ぐらい前です。現在の中高年が子どものころにはITなどありませんでしたし、普及したときにはすでに大人になっていました。
よって、設定や使い方を体系的に学ぶ機会がないままに、仕事でITツールを使わざるを得なくなってしまった人が一定層いると考えられます。
ITリテラシーを高めるためのカンタンな方法3つ
以上、ITリテラシーが低い状態3つを解説しました。この段落では、ITリテラシーを決める3つの力を高める具体的な方法をお伝えします。
ITリテラシーを高めるといっても、特段に難しいことではありません。また、無料で始められることも多くあります。ITリテラシーを高めるための練習は、以下のような比較的カンタンな方法で人知れずに実施できます。
1.わからないことがあれば検索する
まず、検索エンジンを使うことに慣れましょう。ITに限らず、日常生活でわからない疑問があれば、検索してみます。
たとえば、「なぜ漢数字は、“四”から規則性がなくなるのだろう?」「最近はやりのGABA(ギャバ)って何だろう?」など、疑問に思ったことはすかさず検索してみるということです。
じつは、ITリテラシーの高い人は、1日に何回も検索エンジンを利用しています。ほんの少しでも疑問に思う点があれば反射的にスマホに手を伸ばし、検索エンジンで調べているのです。そのおかげで検索が上手くなり、ITに関する知識が高まり、ITリテラシーも向上しています。
わからないことや疑問に思うことがあればすぐに検索するクセをつけましょう。テレビなどを見ていると、聞いたことない言葉や新しい言葉が出てくる場合があると思います。それをすぐにスマホなどで検索してみるのです。
検索に慣れるとわからないことがあればすぐに調べられるようになるので、これだけでもITリテラシーがかなり向上します。
2.プライベートでも積極的にITを利用してみる
プライベートでも積極的にITツールを利用してみましょう。企業が業務で利用しているクラウドサービスは、個人用にほとんど同じサービスを提供している場合があります。
例えばGoogleが提供しているGmail(メール機能)やGoogleドキュメント(テキストエディター)、Googleスプレッドシート(表計算ソフト)は個人利用ならば無料で使えます。ほかにもファイル共有のboxやビデオ会議ツールのzoomなども、個人アカウントなら無料で使えるプランがあります。
これらを利用して自分で設定の練習をしてみたり、親しい人とコミュニケーションをとったりしてみましょう。会社で使っているツールは設定を勝手に変更できませんが、個人向けのサービスを私的に利用するだけなら設定を変更しても会社に迷惑がかかりません。練習のつもりでいろいろ触ってみましょう。
3.ITに関する資格を取得する
ITについての基礎知識を得るため、本格的に資格の勉強をしてみることもオススメです。初心者向けのITの資格としては、以下のような資格があります。
- ITパスポート……基礎的なIT知識の国家資格。
- IC3(アイシースリー)……国際的なIT資格。難易度は初心者向け。
- MOS(モス)……マイクロソフト・オフィス・スペシャリストの資格。一般と上級があり、一般は初心者向け。
- P検(ピーケン)……日本の民間資格で総合的なIT知識を勉強できる。
- 日本語ワープロ検定……タイピングの資格。タッチタイピングの練習。
注意点としては、資格の取得だけが目的とならないようにすることです。これらの資格は基礎的な資格なので、あくまでも知識を身につけるのが目的です。時間はかかってもよいので、1つひとつ理解しながら勉強していきましょう。
まとめ:少しずつITリテラシーを身につけていきましょう
ITリテラシーを身につける練習と聞くと、ものすごくハードルの高いことを想像してしまうかもしれません。しかし、日常の業務を進めるにあたって必要なITスキルと考えれば、そこまでハイレベルなITスキルはいりません。
世の中には誰でも無料で使えるITツールやわかりやすく勉強できる初心者向けの資格がたくさんあります。それらを利用することで、カンタンなところから少しずつ勉強していきましょう。