創業から続けるテレワーク、大切にしているものは社員の自主性

株式会社NOKIOO
会社所在地:浜松市東区和田町919−3 ワインドワークスビル2F
従業員数:23名
事業内容:「未来型ワークスタイルで”地域×多様”人材を企業の活力に」をテーマに、子育て女性支援・プラットフォーム事業、Webサイトの制作やWeb広告の運用など、インターネットを活用して企業の業務支援を行っています。
会社ホームページ:https://www.nokioo.jp/

目次

代表者が語るテレワーク

代表取締役の小川健三さん

NOKIOさんの事業内容を教えてください。

2011年4月に設立。Web構築やITのシステム開発を主事業としています。東日本大震災の直後に産声を上げました。コミュニケーション方法や働き方、働くことへの価値観が大きく変わる潮目の時期でした。

我々も、「自分らしい、新しい働き方」の実現が会社の競争源泉、強みになるのではないかと考え、設立当初から、クラウドツールや、オンラインコミュニケーションツール、Skypeなどを使い、「NOKIOスタイル」と名付け、試行錯誤してきました。

また、「価値創造」、新しい価値を作っていくことに挑戦することをモットーにし、接触的に新たらしいことに挑戦しています。その一つとして、子育て女性社会参画支援、女性のキャリア教育、企業向けの女性役職者、リーダー層育成のプログラムを展開しています。

新規事業に「女性」というキーワードができてきました。その理由を教えてください。

創業メンバーの1人に、小田木朝子という女性がいます。彼女は、産休、育休を経て、職場復帰しました。また、彼女は育休中に、中小企業診断士の資格取得していました。その時間の使い方を、そばで見ることで、「これからの女性の生き方、キャリア構築のヒントがあるのでは?」と思い、彼女の経験してきたことを周りに伝えるような機会を作っていきました。

草の根的に始めていった「女性活躍推進」の発信ですが、2016年に女性活躍推進法が施行されたことにより、活動が促進されました。その活動の中で、社会的ニーズ、解決されていない課題が多くあることに気付かされました。そこをフォーカスすることで、覚醒する女性人材や、仕事と関わることで元気になる女性たちに出会いました。

一人一人の女性が、自分らしく「働く」ということに関して、当社なりの価値提供ができていると感じています。

全社ミーティングの画面

創業当初からテレワークを導入していましたか?

立ち上げ当初は、事務所がなかったため、スタッフが集まる場所はありませんでした。互いに離れた環境で、コミュニケーションをとらなければならないため、「どうすればコミュニケーションが円滑になり、物事を進められるか」を考え、当時のオンラインツールを使って、試行錯誤しながら働きはじめました。

設立後半年ほどで、事務所を設けましたが、全員が集まれるほどの広くはなく、業務を行う場所を作るというよりも、会社としての信用を得るために実在をアピールする役割でした。

それから10年。色々な体験をし、進化をしてきました。働き方というのも、オフィスだけでなく、勤務形態や雇用形態、色々な要素が複雑に絡み合っています。常に、全体的にデザインしながら、自分たちのスタイルを作り続けています。そのため、社員には自律性を求めて、「セルフマネージメントが大事」だと伝えています。

場所だけでなく、「今日は何をやるか、何を優先させるか、ひいては人生、キャリアを、自分が主導権を握りどうやって構築していくか」を考えながら、働くことを意識すること。個々が、「私はNOKIOで、今日はこの場所、この時間に、こういう働き方をすることが、一番パフォーマンスが上がる」とか、「会社や仲間に貢献できるだろう」と考えながら仕事をしてもらいたいと思っています。

何も考えず定時に出社すれば大丈夫といった、思考停止させるような規則は、極力作りたくないのです。だから、会社主導でテレワークのシフトを組むといったこともありません。

ランチの予定を貼りだしたボード

自主性を重んじながらも、設けている独自のルールはありますか?

表面的なルールで言えば、勤怠や業務のスケジュールを、グループウェアのタイムスケジュールで管理しています。誰がどこで、いつどんな仕事するのかを社内で共有しているのです。

通勤している社員は、全体の2割程度で、全員が集まるのは年1回くらいのため、毎週月曜の午前中は、オンライン上で全員集まり、全体ミーティングを行います。ミーティングの後には、都度、ランダムにグループ分けをして、その中で自由に発言するコミュニケーションの場を設けています。対面でのコミュニケーションの機会としては、1人の相手に対し年1回、料金を会社が負担するランチ制度を設けています。その制度を利用することで、1年の間に全社員と1度はランチでコミュニケーションを図ることができます。

また、当社では、ルールの設定というよりも、文化として会社に根付かせていることがあります。「何ができる、何をやりたい、何が得意、どんな業務を担っている」といった自分の考えや置かれている状況を開示しながら、チームや会社のメンバーと共有することを、重視すること。

互いが離れて仕事をしているからこそ、互いのことを理解、認識し、信頼するという関係性作りを行っています。既存のメンバーが実践し、そのカルチャーが根付いていくこと、その姿を後輩たちに見せることが、生産性の高い、自走できる人材を教育するためのカギになると考え、実践しています。

社員が語るテレワーク

池上さんと小川さんのミーティング風景

現在の業務内容を教えてください。

2018年入社。RHR事業部で、マーケティングを担当しています。当社が運営している、育休者のためのオンラインスクール「育休スクラ」と、それに関連する法人向けの研修サービスのリード獲得のため、マーケティング計画を立て、施策を実行しています。

また、「育休スクラ」の個人集客のために、受講生のインタビューブログを企画し記事を書いています。講師であり、当社役員の小田木朝子のファン創出のために音声メディアを設けているのですが、そのメディアのコンセプト設計や日々の運営を行っています。

いつから、どのような理由でテレワークをしていますか?

入社1年目は週5日、出社していました。1年目で妊娠し、妊娠4カ月で切迫流産となり緊急入院。1カ月の絶対安静を余儀なくされました。そこから復職するときに、ランディングのために1カ月ほど自宅にてテレワークを行いました。

妊娠中はつわりもひどく、ずっと体調がすぐれませんでした。体力も落ち、洗濯物を干すだけで息切れがするくらい。そのため、移動がないということは、とても助かりました。自分の体調をみながら、少し横になったり、耳だけで参加できるミーティングでは、楽な体勢で参加したり。

その後、産休・育休を取得。1年間とった育休のうち、最後の3カ月は半育休にして、テレワークで業務をこなし、完全復職に向けた準備期間にしました。

社内のメンバーとどのようにコミュニケーションをとり、業務を進めていますか?

当社は、どこからでもデータにアクセスでき、システム的なインフラが整っているため、基本的には困ることがありません。現在のチームメンバーは、ほとんどが在宅でテレワークをしているので、テレワークありきでコミュニケーションをとることが、「当たり前」になっています。

Teamsを利用したチーム内のグループチャットがあるので、そこで雑談も含め、仕事の相談、教えて欲しいことなど、なんでもやり取りしています。チャットでは、フランクな雰囲気を作るため、文字を打つ手間と時間を省くため、敬語はなしというルールになっています。

メンバーは、マーケティング、営業、運営など、職種の異なるメンバーで構成されています。例えば、営業が受注してきた時など、「受注したよ」と呟くと、「すごい」「ありがとう」など言葉が飛び交います。直接会う機会が少なくても、寂しさを感じることもありません。

池上さんが感じる、テレワークによるメリットとデメリットは何ですか?

メリットの方が大きいですね。毎日メイクして、マスクして出社しなくて済むことは、メリットです(笑)。自宅の方が、業務に集中できますね。子どもは、保育園に通っていて、体調の悪い時には、そばに住んでいる義母が面倒を見てくれています。周囲に人がいないことで、自分の予定したタイムスケジュールで、仕事が進められます。

ただ、集中しやすい環境は、意識しないと休憩することなく業務を続けてしまうため、とても疲れます。ダイニングテーブルとダイニングチェアで1日8時間仕事をしているので、作業スペースが狭く、椅子が堅いことが悩みです。また、電気代や通信費が、出社の時よりも高くなりました。自宅で快適に働く環境を整えるためには、少しコストがかかりますね。

総合的に考えるとテレワークは、私にとても合っている働き方です。子どもが成長しても、この働き方を続けて行きたいと思っています。

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