起業コミュニティへの参加とテレワークの活用で自分らしいチャレンジが可能に|自動車メーカー勤務、天野太郎さん

テレワークの活用で自分らしいチャレンジ

1つの企業で長らく働いているうちに、チャレンジする気持ちが薄れてしまう……そうお悩みの方も多いのではないでしょうか?

自動車メーカーでコンピューターシミュレーションの仕事に携わる天野太郎さん(以下、天野さん)もまさにそんな1人。緻密で失敗の許されない仕事柄も手伝いいつしかチャレンジをしなくなった自分に、危機感を覚えたそうです。

思い切って起業体験プログラムの「Startup Weekend(スタートアップウィークエンド※)」に参加したことから、チャレンジの可能性が広がりました。テレワークを活用しながらさまざまな出会いを得て、自分らしくチャレンジを続けているといいます。大企業の枠を超え行動を続ける天野さんに、詳しくお話を聞きました。

※Startup Weekend 浜松とは

3日間でスタートアップ(起業)の立ち上げを体験できるプログラム「Startup Weekend」の浜松版。全世界に展開される起業家育成コミュニティにおける取り組みの1つとして、コーチやファシリテーターもスペシャリストが揃う。浜松では、「やらまいか精神」を呼び起こそうと鈴木康友浜松市長の全面バックアップのもとスタートし、ベンチャー投資家や地元企業などがサポートしている。

目次

マインドシフトを起こした起業コミュニティとの出会い

天野さん

天野さんのいる業界は今、100年に一度の大変革期を迎えています。会社全体が変化を求められる中、天野さんも「このままではいけない」という危機感を抱くようになったといいます。そんな天野さんの想いを聞き、チャレンジの一歩目を示してくれたのは、会社を辞めて起業した元同僚の方でした。

「あるとき、私が前から思い描いていた事業アイデアをポロリとこぼしたら、『そのアイデアを世に出すつもりはないのか?』と問われました。『自分がずっと温めていたアイデアを他の誰かが世に出して、成功されたら悔しくないか?』と。たしかに『同じことを考えていのに……』と弱音を吐く自分の姿を想像し、それは嫌だと思いました」

と、天野さんは当時のエピソードを語ります。

そして、そんな元同僚の方に「事業アイデアを発表し、仲間を作れる場所」と背中を押され、天野さんは2020年11月、9回目となるStartup Weekend 浜松(9回目のテーマ:MOBILITY)に参加することを決めたのでした。

「そのとき温めていたアイデアとは、バイクに乗りたい人とバイクを持っている人とをつなぐプラットフォームでした。私は大学時代からバイクが好きで、社会人ではモトクロスのレースに参戦していました。しかし2児の父となってからは、乗る機会がだんだんとなくなってしまいます。

『愛車を手放したくない』という気持ちの一方で、乗らずにいるとバイクが劣化してしまうジレンマを抱えていたのです。そんな私の想いを、Startup Weekend 浜松ではじめて発表してみました。

すると、共感してくれた人たちが集まりチームとなって、ともに事業案をブラッシュアップしてくれたのです。最終的には、バイクシェアを起点として、ユーザー同士のコミュニケーションが生まれるプラットフォームの事業プランができました。最終日には浜松市長や投資家の方が控える前でプレゼンし、結果はまさかの優勝!とても驚きました」

第9回 Startup weekend 浜松の様子
第9回 Startup weekend 浜松の様子 出展:【第9回】StartupWeekend 浜松 MOBILITY 20201106 開催レポート

Startup Weekend 浜松には、学生から社会人、リタイア後に起業した方まで、さまざまな年齢や立場の方が参加していました。

誰もが一生懸命事業立案に取り組む姿を目の当たりにし、チャレンジに対するモチベーションがとても高まりました。『この気持ちを薄れさせてはダメだ……。意欲を高められる場所に自分から出かけよう』とその後の行動も変わりましたね」

テレワークできる場所が増え、新たな気付きも得られるように

コロナ禍で勤務先でもテレワークが普及し、天野さんも在宅勤務で働くようになりました。そんな中、地域のリーダーが集まるコワーキングスペース「The Garage for Startups(所在地:中区高林、以下、The Garage)」を利用するようになります。

The-Garage-for-Startups
The Garageの様子 出典:The Garage for Startups HP

「私の在宅勤務と、自宅への来客がダブルブッキングしてしまった日があり、ふとThe Garageでテレワーク利用ができるか問い合わせてみました。The Garageを思い出したのは、第9回 Startup Weekend 浜松の会場だったので、一度来たことがあったからです。

その電話口で教わったのが、なんと私の勤め先がThe Garageを法人契約していたということ。契約主体が社内の他部署だったので、知らずにいたんですね。

取り急ぎ口頭でThe Garageの利用許可をもらい、そのまま慌てて会社に問い合わせ。The Garageの利用申請を行いました。実は会社にも、The Garageに出向くことで社員に新たな気付きを得てほしいという想いがあったようです。無事にThe Garageのメンバーに加えてもらえました」

The Garageでのテレワーク風景

そのような流れから、The Garageという自宅以外の場所でテレワークを実施することになった天野さん。外のコミュニティに出かけてみると、得られるものがたくさんあったといいます。

「The Garageの他社メンバーさんとはもちろん、社内では接点を持てずにいた他部署の方とも交流が広がりました。今では、週3日ある在宅勤務の日の1日は、The Garageに来るようにしています。意識して外に出ることで、さまざまな意見や刺激が得られますからね」

次なるチャレンジはStartup Weekend 浜松での運営チームリーダー

その後も天野さんはチャレンジを続け、2021年7月に開催された第10回Startup Weekend 浜松(10回目のテーマ:SMART CITY)では運営を務めました。さらに、2022年3月11日から3日間開かれる第11回Startup Weekend 浜松(11回目のテーマ:The OUTDOORS)では、運営チームを取りまとめるリードオーガナイザーを担当しています。

第11回 Startup Weekend 浜松 The OUTDOORS イベントページ
出展:第11回 Startup Weekend 浜松 The OUTDOORS イベントページ

「運営メンバーの方から『誰かリードオーガナイザーをやってみませんか』と打診があり、『アウトドアをテーマにしたら面白そうだ』とアイデアを伝えたところ、ぜひにと任命いただきました。

それまでも『普段の仕事ではできないことにチャレンジしてみたい』という想いがありましたし、心のどこかで『次なるチャレンジはコレだ!』と思っていたような気がします」

リードオーガナイザーとなってから現在まで、スポンサーや参加者の募集、会場準備などに奔走してきました。プレッシャーを感じ不安になることもあったそうですが、自分の想いを分かち合うことで周りのサポートもたくさん得られたそう。

「実は今回、株式会社ヤタローさまにスポンサーとなっていただいたことで、静岡県立森林公園『森の家』(所在地:浜北区根堅)をメイン会場にお借りできることになりました(※2009年4月より指定管理事業者)。森の家では宿泊ができるので、公園内の豊かな自然に触れ、きっと良いアイデアが生まれるのではないかと期待しています。

そんなStartup Weekend 浜松 The OUTDOORSの1日目は、参加者みなさんが集まりやすい場所ということで、The Garageをお借りして開催します(笑)」

最後に、天野さんが考えているこれからのチャレンジについて聞きました。

『やめることをやめよう』をモットーに、これからも行動していきたいと思っています。以前の私は、何かのきっかけがあっても、やってもやらなくても同じと考え、立ち止まっていたタイプでした。それが、Startup WeekendやThe Garageのコミュニティを通じて挑戦を楽しめるように。

チャレンジした先にどんなゴールにたどり着けるかは未知数ですが、行動を止めてしまうと絶対に見つからないのもゴールだと思っています。これからも、以前の自分なら絶対にしなかったようなチャレンジを続けていきたいと思います」

チャレンジしたい気持ちを呼び起こし、外の世界に思い切って飛び込んでいった天野さん。その後もテレワークを活用することで、さまざまな交流を得ながら意欲を高めています。

そのきっかけとなった Startup Weekend 浜松 は次回、 2022年3月11日(金)~13日(日) に開催されます。年齢や立場に関係なく本気の事業立案を経験できるイベントです。チャレンジを呼び起こしに出かけてみてはいかがでしょうか?

第11回 Startup Weekend 浜松 The OUTDOORS 概要

開催日:2022年3月11日(金)~13日(日)
開催地:
①初日▶The Garage for Startups(静岡県浜松市中区高林1-8-43)
②2・3日目▶静岡県立森林公園 森の家(静岡県浜松市浜北区根堅2450-1F)
参加費:
①学生▶宿泊無2,000円、1泊付5,000円(3日間)
②通常▶宿泊無8,000円、1泊付10,000円(3日間)
③最終日発表見学チケット(オンライン視聴参加権)▶1,000円
※3日間参加の場合、懇親会2回を含む5食込み。

イベント詳細:https://swhamamatsu.doorkeeper.jp/events/127950

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