テレワークに切り替わったことで上司の方がとくに心配するのは、部下がサボらないかどうかかもしれません。確かに、働きぶりの見えない環境になることで、サボってしまう社員も出てくるかもしれません。
しかしながら、そのことをもって「テレワークできない」と考えてしまうのは少し短絡的といえます。テレワークでサボってしまうのには理由があり、対処することは可能だからです。
そこで本記事では、部下がテレワークでサボってしまう理由と対処方法について解説します。
テレワークで部下がサボる3つの理由
まずは、テレワークで部下がサボってしまう理由を押さえましょう。主に以下の3つです。
1.オンとオフの切り替えが難しく集中力が続かないため
自宅などオフィス以外の環境ではどうしても仕事モードに入りづらく、集中力が続かないといった理由が挙げられます。なぜなら、家にはゲーム機やスマホやSNS、テレビなど、集中力を阻害する娯楽がたくさんあるからです。また、家に家族がいる状態でテレワークをしていると、どうしてもプライベートな気分になってしまい、集中できない場合もあります。
実はこの課題は、コロナ禍以前からテレワーク労働者を悩ませてきた問題です。慣れているテレワーク労働者の中には仕事モードに入るためにあえてスーツに着替えるなど、自分なりのルーティンを決めている人もいます。コロナ禍からテレワークになった人はこのようなノウハウがまだ無いため、集中力が続かないのです。
2.仕事の進捗が見える化されていないため
テレワーク環境では仕事の進捗が上司に見えづらくなるため、サボりが発生しやすくなる面があります。
例えば資料作成というタスクがあり、3日後に締め切りが設定されているケースを考えてみましょう。3日後に出来上がった資料を提出できれば、タスクの進捗上は問題ありません。大切なのはそのプロセスで、実際は1日で資料の作成が終わってしまう場合があります。では残りの2日間は何をしているかというと、何もしていないこともありえます。
出社している場合は、手持ち無沙汰にしている社員がいたら、ほかの作業を割り振るなどリソースの無駄が無いようにできますが、テレワークだとどれだけリソースが余っているのかを管理職が把握しにくくなります。これが社員がサボりやすくなる2番目の理由です。
3.ホウレンソウがしづらい環境になっているため
ホウレンソウがしづらい環境になると、サボる社員が多くなります。なぜなら、次に何をして良いのかわからない状況では、集中力が切れやすいからです。
次にやることがわかっているとスムーズに作業を移行できますが、進め方で悩んでいたり、やるべきことがわからない状況では手が止まってしまいます。その結果、集中力が切れてつい時間を持て余してしまうのです。
テレワークに関わらず、日ごろからホウレンソウがしづらい環境になっていないでしょうか?これがサボり発生の要因の1つとなっている可能性があります。
テレワーク中の部下のサボりへの対処方法
柔軟な勤務ルールでオンとオフの切り替えをしやすくする
テレワーク中の部下の勤務ルールをある程度は柔軟に設定すれば、オンとオフの切り替えをしやすくなります。
どの場所で作業が捗るかは社員の適性によりますので、例えば以下のような柔軟なルールを設定すると働きやすくなります。
- 申請すればコワーキングスペースやカフェ等での作業が可能。
- フレックスタイムとインターバル制の導入。
- ワーケーションを取り入れる。
- 希望に応じて出社とテレワークのハイブリッドにする
重要なのは社員が自分から集中できる環境を選べるようにすることです。多様な個人の適性に柔軟に対応できる点がテレワークの良さでもあります。その良さを活かせるようなルール作りをしましょう。
仕事の進捗と成果物を見える化する
サボりを防止するには、成果物だけではなく仕事の進捗も見える化しましょう。仕事の進捗を見える化すれば、作業が捗っていない部下や、逆に早く終わりすぎている部下を把握できます。
進捗を把握するといっても、毎日のように個人面談をする必要はありません。それでは面談の時間が業務を圧迫し、逆に非効率になってしまうからです。
進捗の見える化にはガントチャートなどのツールを使いましょう。個人の仕事をタスク単位に分解してガントチャートに予定を記載します。部下は進捗状況をかんたんにガントチャートに記載していきます。このようにして毎日の作業予定がどこまで進んでいるかを見える化できるのです。
ポイントとしてはできるだけ気軽に報告できるようにすることです。あまりにも報告の心理的ハードルが高いと、ガントチャートと実態が乖離しやすくなります。
気軽にコミュニケーションできる環境をつくる
部下が上司に気軽に相談できる環境を作れば、サボりの低減に繋がります。なぜなら、進め方で悩んでいるときなどに上司に相談して解決できれば、モチベーションを維持しやすいからです。
ポイントは「気軽さ」です。テレワークで気軽にコミュニケーションが取りづらいのはツールの影響が大きいのです。というのも、従来のコミュニケーションツールである電話やメールは改まった感じになってしまうため、些細な用事では話しかけづらいという欠点があるからです。
そこで、ビジネスチャットやビデオ会議など新しい時代のコミュニケーションツールを導入する必要があります。チャットならば「すみません、相談があります」と話しかけやすいですし、ビデオ会議なら顔を見ながら話せますので、気軽に話しやすいです。
まとめ:サボり防止は部下との良好な関係作りのきっかけになる!
テレワークで部下がサボる理由はほとんどが環境に要因があります。部下の人たちの素質が悪いわけではないため、働きやすい環境の整備が重要です。部下たちと良好な関係を築けば、自然とサボらなくなっていきます。ぜひ参考になさってください。