浜松城公園に集まりオフィスカーの新コンセプトを考案!浜松テレワークパークのイベントレポート

浜松テレワークパーク実現委員会は、2021年12月1日(水)、浜松城公園のテレワークパーク浜松実証実験会場にて「オフィスカー」の有効活用を考えるワークショップを開催しました。

移動できるオフィスとしての機能を備えたスズキのエブリィ5台を実際に並べながら、仕事以外の使い方や夜間の稼働を促すアイデアを膨らませます。紅葉も見ごろを迎えた浜松城公園をバックに、実現委員会のメンバーであるスズキや東海理化、浜松市、Wewillのほか、協力会社やユーザーが集まり、自由に意見を交わしました。

本レポートでは、当日の様子をレポートします。

目次

オフィスカーをパーソナルスペースに見立てると何ができるだろう?

テレワークカー説明
さまざまなレイアウトをほどこしたエブリィベースのオフィスカー5台が並んだ

南は遠州灘に面し、北部は南アルプスに通じる豊かな森林を有する浜松市。浜名湖や天竜川といった自然を抱く風光明媚な場所でありながら、東京や大阪からのアクセスも良いのが浜松の特長です。

そんな浜松ならではのリモートワークサービスの実現を目指し、浜松テレワークパーク実現委員会は、自動車をオフィスにみたて駐車場をコワーキングスペースとして活用する試みを行ってきました。ユーザーへの貸出しを開始して以来、「オフィスカーのインテリアをカスタマイズしたい」「アメニティを充実したい」といった多くの希望、要望も寄せられています。

そこで、実際にオフィスカーおよび周辺用品を提供し、オフィスカーの活用方法をディスカッションを行うことになりました。ユーザーが思い思いに過ごせるオフィス、あるいは居住空間やパーソナルスペースとして、どのような活用ができるでしょうか?

浜松の青空の下、参加者同士の懇親を深めながら、自動車×駐車場の新たな可能性を考えました。

開催主旨|テレワークパークがユーザーを巻き込みイベントを開催する意義とは?

株式会社Wewill 代表の杉浦 直樹 氏
株式会社Wewill 代表の杉浦 直樹 氏

テレワークパーク実現委員会長、株式会社Wewill 代表の杉浦直樹氏に、本イベントの開催主旨を聞きました。

駐車場を働く人が集まるスペースと捉えると、企業同士の交流が生まれ、さまざまな協業が始まるかもしれません。そうした背景から、オフィスカーの可能性を探るイベントも『外で』『みんなで』やってみようと考えました。実現委員会のメンバーだけでなく、さまざまな企業や地域の方に使っていただき、豊かな発想をしていただけたら楽しい体験になるのではないでしょうか。

また、会議室にこもるのではなく、野外でディスカッションすることで、企業や立場の枠を超えたオープンな会話が生まれます。コーヒーを片手に公園内を歩きながらディスカッションしてみてもいいですね。公園とビジネスの掛け合わせによる新たな可能性も探れたらと思いました」

タイムスケジュール

11:00~ 挨拶、グループ分け、自己紹介
11:15~ 趣旨説明、車両説明
11:30~ ディスカッション① オフィスカーを24時間活用する方法・ランチ
13:00~ オフィスカーの活用方法発表、デザインしたいオフィスカーの発表・決定
13:20~ デザインイベント 新コンセプトの考案
14:15~ 新コンセプトにもとづくデザイン案の発表 
15:00  閉会

1. ディスカッション ~ オフィスカーを“24時間”活用するアイデアを考えよう ~

オフィスカー
オフィスカーが24時間利用できるとしたら……?

日ごろの用途としては、平日の昼間にテレワークスペースとして使われることが主だったオフィスカー。テレワークパークから移動させてみたり、夜間の稼働を考えてみたりすると、その活用可能性が広がります。

  • 休日に移動コーヒーショップとして出店
  • 子どもの勉強部屋として利用
  • 夜はスタンディングバーとして繁華街に出店

針のかかれていない時計プリントの上に、どんな過ごし方をしたいか表現していきます。オフィスカーを24時間活用するアイデアを自由に発想しました。

2.デザインイベント ~ 新コンセプトにもとづいて実車のデザインを考えよう ~

テレワークパークディスカッション
浜松城公園に設営されているテレワークパークでディスカッション

ディスカッションで発想した活用形態を、実際のオフィスカーを用いてデザインしてきます。タープ(日よけ)や突っ張り棒などの関連用品を用いて、オフィスカーをアレンジ。個室スペースや対面販売のカウンターなど、用途に応じた「こだわりの1台」をそれぞれ演出しました。

3.デザインの発表

全4チームから、個性豊かなオフィスカーのデザイン案が発表されました。一部をご紹介します。

誰にも見られず運動に専念できる「ジムカー」

クルマでフィットネス

ハッチバックを開けると出現する、地面までのスペースを運動できるスペースとして有効活用する案が出ました。ハッチバックの側面に目隠しとなる布を被せれば、外からの視線を気にせずトレーニングに専念できるほか、簡易な水浴びも可能に。後部座席をフルフラットにできれば、ヨガなどの全身運動にも取り組めます。

趣味を楽しむための「私だけのご褒美スペース」

「いま、私たちがやれずに残念でいること」を存分に楽しめるパーソナルスペースを考えました。映画を観たり、ゲームをできたり、マッサージを受けたり、防音仕様により車内での楽器演奏も可能に。あらゆる趣味やご褒美時間を過ごすためのスペースとして活用してもらう考えです。

自宅の近くで気軽に楽しむピクニックカー

自宅の近くで気軽に楽しむピクニックカー

キャンプがトレンドになっていますが、できれば近場で手軽にアウトドアを楽しみたい人もいるでしょう。そんなニーズに応えるピクニックカーを考案しました。大がかりな準備は不要な一方、一日中アウトドアを楽しめるのが特長です。フルフラットな後部座席には、マットを敷いてお昼寝もできます。

新コンセプトの「○○カー」が実現する可能性も

スズキ株式会社 次世代モビリティサービス本部長 熊瀧 潤也 氏
スズキ株式会社 次世代モビリティサービス本部長 熊瀧 潤也 氏

テレワークパーク実現委員会のスズキ株式会社 次世代モビリティサービス本部長 熊瀧潤也氏は、次のように総括しました。

「『走る・曲がる・止まる』という3つの機能が、移動体としてのクルマに求められる基本機能でした。今日は、『パーソナルスペース』としてのクルマの可能性をみなさんに考えていただき、良いアイデアをたくさんいただけたと感じています。

クルマの24時間有効活用をテーマにしたのは、資産としてのクルマの利用価値を考えたかったから。不稼働な時間帯にも借り手・利用用途が見つかることで、(特別な用途以外では)ローン支払いや維持費のかかる一方だった所有車が、収益を生み出す資産となりえます。クルマの新たなオーナーシップの形をこれからも模索していきたいと思います」

浜松発の新しい働き方を考案している浜松テレワークパーク。本イベントで発案されたアイデアが、新コンセプトのオフィスカーとして実現される日も遠くないかもしれません。

テレワークパークおよびオフィスカーの利用方法

テレワークパークは2022年3月まで実証実験中。法人単位で参加を申し込み、登録が完了すると社員が個別に車両を予約・レンタルできる仕組みとなっています。

利用料金
・半日(8:00~12:00または13:00~18:00):1,500円
・全日(8:00~18:00):3,000円
※価格は税込みです。

オフィススペースとしての机や蛍光灯、ネット接続用モバイルルーターは各車両に完備。テレワークパークに整備された専用電源から電気を引き込み、車内で使えます。

はじめて利用される方は、こちらの登録フォームより企業登録をお申し込みください。

新浜松駅の高架下と弁天島海浜公園から整備しはじめたテレワークパーク。現在のスポットは浜松城公園に集約していますが、市はテレワークスペースの整備を進めています。今後は、都田総合公園と佐鳴湖公園でもオフィスカーを停め、仕事ができるようになる予定です。

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