テレワークを実現するために総務部門がやるべき3つのポイント、働き方改革や採用力向上にも!

出社比率の低減や働き方改革のためにテレワークを導入したいけれど、なかなか実現させられないとお悩みの総務担当は意外と多いかもしれません。なかには「テレワークはトップダウン/IT担当者がやるもの」と考え、総務には関係ないと割り切っている人もいるでしょう。

しかし、総務が段階を踏んで環境づくりやルールづくりをすれば、テレワークの実現に近づいていきます。総務起点でテレワーク環境を整えることで従業員も働きやすくなり、離職率低下や採用に有利になります。効果の大きな部分からでもテレワークを準備しておくことが重要です。

このページではテレワーク実現に向けて総務がやるべきことやテレワークを実現したときのメリットについて分かりやすく解説します。従業員全員が「働きやすい」と感じる環境づくりをテレワークで実現しましょう。

目次

テレワーク実現に向けて総務がやるべき3つのこと

総務の大きな役割が、全社コミュニケーションのパイプ役となり、社員を1つのチームにして同じ目標に向かわせることです。働きやすい環境や風土、チームワークを醸成し、社員の生産性を向上させる役割を担っています。

テレワークを実施した人の約64%が満足し、約82%がテレワークを継続したいと感じていると国土交通省の調査で分かっています。それほど、近年テレワークで働きたい人が増えているのです。

ソフトの面からテレワークできる環境を整えておくことは、企業力に直結します。ここでは、テレワーク実現に向けて総務がやるべき3つのことを解説します。

令和2年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果の抜粋-国土交通省|

1.テレワークの環境づくり

自宅の環境やITツールの導入といった環境づくりはもちろん、「テレワークでも働ける」という働き方の選択肢を作ることは総務の役割です。そのためにまずは、手続きの電子化とメンタルヘルス・安全衛生管理の体制を整えることが必要です。

総務が行うべき電子化には、入退社手続きや各種申請、契約書保存、給与管理などが挙げられます。また、テレワークにおける疲労やストレスなどを緩和し、コミュニケーション不足を補うような施策も必要になります。

まずは総務手続きの電子化やメンタルヘルス・安全衛生といったソフトの面から、テレワークの働き方が選べる環境を整備しましょう。

①手続きの電子化

社内でおこなわれる総務関連の手続きを電子化しましょう。それぞれの従業員が出社しなくてもオンラインで申請・承認ができる環境を作ることが先決であるためです。

申請書や稟議書、入退社手続きなどを紙ベースで行っていると、そのためだけに出社が必要になってしまいます。オンライン申請を可能にする業務管理ツールや労務管理・給与管理システムを活用すると、手続きの電子化が進みます。

内容によってはIT部門と協力しながらワークフローシステムを導入することも検討しましょう。

②メンタルヘルス・安全衛生管理

在宅勤務時の就労環境について基準を作って周知したり、メンタルヘルスへの配慮や対策、ハラスメント対応もテレワーク環境を作るうえで欠かせません。

たとえば、孤独や不安を感じないようコミュニケーションツールや定期的なオンライン会議を実施するよう、各部門長へ伝える必要があります。テレワークにおいては基本的に、社員は1人で仕事をする環境下になるためです。

テレワークでも従業員が安心安全に働けるよう、できる支援を実施しましょう。

参考:厚生労働省「​​テレワークを有効に活用しましょう」

2.新しい働き方のルール作り

テレワークであっても出社時と同様に労働法令を遵守するために、新しい働き方に合わせたルール作りが必要です。

  • 労働時間の把握方法の制定
  • フレックスタイム制度・コアタイム制度の導入の有無
  • 時間外・休日・所定外深夜労働をする場合の対応

以上のようなことを就業規則などで定めましょう。

3.人事評価の新しい基準づくり

テレワークが実施されると、正しい人事評価ができなくなるという問題が発生しやすくなります。社員がテレワークで仕事をしているときの勤務態度が、目に見えなくなるためです。

しかし、以下のような取り組みをすれば、テレワークをしても適切な人事評価がしやすくなります。

  • 目標管理制度の導入
  • 評価基準の統一
  • グループウェアなどのITツールの導入

テレワークをおこなう部門長と一緒に新しい評価基準を作ることで、スムーズにテレワークへ移行できます。

テレワークの実現で期待できる5つのメリット

総務がテレワークの実現に向けて環境整備をすることで、全社的に大きなメリットをもたらします。働き方改革や社内手続きに影響する施策が多いので、離職率の低下や採用力アップ、生産性向上に直結するためです。

実際にどのようなメリットが期待できるのかを解説します。

1.全社的な生産性向上

テレワークの実現に向けて総務が働きかけをすることで、全社的な生産性向上が実現します。

ペーパーレスや手続きの電子化、コミュニケーションの活性化が進むからです。慣習的に非効率と感じていたオフィス業務の改善や営業部門のオンライン商談によって、時間を有効活用できる場面も増えるでしょう。

2.従業員の働きやすさ・離職の防止

働き方の選択肢が増えることで従業員が働きやすくなり、離職の防止につながります。

たとえば、通勤時間の長さや育児・介護を理由に退職せざるを得なかった従業員も少なくないでしょう。テレワークの選択肢があれば、優秀な従業員が離職する可能性は減少します。

3.企業イメージの向上で多様な人材の採用

求人情報に「テレワーク可」と掲載すると企業イメージが向上し、多様な人材の採用へつながります。

場所に関わらず働けるようになるので、遠方に住んでいる人やフルタイム出勤が難しい人を雇用するチャンスが増えるためです。ライフイベントやプライベートの都合に合わせた柔軟な働き方も提案できます。

テレワークの実施は、多様な人材を受け入れている、働きやすそう、時代に合わせた働き方を取り入れている、といった企業イメージに直結します。

4.通勤手当やオフィスのコスト削減

テレワークにより出社人数や頻度が下がるので、通勤手当やオフィスのコストが削減できます。

たとえば、今まで当たり前になっていた従業員全員分の通勤定期は不要となり、出社回数ごとに経費精算するようになるでしょう。また、従業員全員分のデスクも不要となるため、オフィスを縮小することも可能です。

テレワークによるコスト削減は、企業の利益を向上させられます。

5.緊急時における事業停止のリスク軽減

予測できない緊急事態でも、テレワークで業務のできる環境を作っておけば、事業停止のリスクを最小限に留められます。

2020年に発生した新型コロナウイルスによるパンデミックで出社が制限され、事業停止を余儀なくされるようなリスクは今後ないとは言い切れません。震災や水害などの自然災害によってオフィスが突然なくなる恐れもあり得るでしょう。

緊急時における事業継続のための「制度」として、いつでもテレワークできる体制を作っておくことは会社の社会的信用アップにつながります。

まとめ:総務から率先してテレワーク環境を整備しよう

テレワークの導入を進めていない企業では、総務が率先してテレワークできる環境づくりをしましょう。テレワークという選択肢を従業員が選べるようになれば、企業全体に大きなメリットを与えることが可能です。

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